人生を後悔することになる人・ならない人</br>パラダイムシフトの心理学

人生を後悔することになる人・ならない人
パラダイムシフトの心理学

私は、ラジオの「テレフォン人生相談」を半世紀近くしている。

 その冒頭の言葉は

「あなたの認めたくないものは何ですか?
どんなに辛くても、それを認めれば道は拓けます」

                        である。

 その言葉は、ジョージ・ウエインバーグの「ある真理を見たくない、感じたくないという欲求は、全ての神経症に見られます。」(『プライアント・アニマル』115頁)ということばにヒントを得たものである。ここで「全ての神経症」と言う言葉に注意をした。
 つまり神経症とは「重大な真理を受け入れることを拒否すること」である。

 「神経症的葛藤」を「悩み」と翻訳すれば、悩みは「常に自分が認めたくないものが焦点」になっている。
 「自分が認めたくないものの焦点は何か?」と考えてもらいたいので、ラジオでは冒頭で先に述べたような言葉を毎回繰り返している。

 これはアドラーの「苦しみは解放と救済に通じる」ということでもある。
 ノイローゼは勇気の欠如であり、勇気とは現実に直面することである。
 アドラーとジョージ・ウエインバーグは言葉は違うが趣旨は同じである。
 あまりにも現実が辛いから、現実から目を背けたい。そして抑圧する。結果としてノイローゼになる。

 社会的、肉体的に現実適応は出来ているが、心理的に現実適応ができない。本能衝動の防衛が出来ない。
 勇気とは現実に直面すること。つまり合理化をしない、責任転嫁をしない、攻撃性の置き換えをしないなどなどである。
 本来の生きる意欲を失わせているのは否認であるとフロイデンバーガーは言う。

 アドラーの言う様に、苦しみは解放と救済に通じるのである。
「註、Alfred Adler, Social Interest: A challenge to Mankind translated by Jphn Linton and Richard Vaughan, Faber and Faber LTD, pp.120-121」
 苦しみから逃げないことでロロ・メイの言う「意識領域の拡大」があり、カレン・ホルナイの言う様に「内面の自由と力」を獲得する。
 自分の心の葛藤に直面し、解決を求め様とすればするほど、内面の自由と力を獲得する。
「註、 Karen Horney, Our Inner Conflict, W.W.NORTON & COMPANY, 1945, p.27」。

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