なぜ母親は子供を急かすのか?

子供を急かす母親がいる。「靴下はいたの?」「カバン持ったの?」と絶えず子供を急かす。それ躾であり、教育と思っている。そうした親は子供を急かさなければ子供はやらないと思っているが、実は親自身がせいていなければいられない性格なのである。子供を急かしている親は、自分の欲求を満たそうとして、焦っているにすぎない。  心理的に何かに急かされている親は、自分でさえ自分が思うようにならないのに子供を思うようにしようとしている。そしてイライラして子供に「なぜ出来ないの?」と怒る親がいる。例えば自分が文章をかけない。でもいい文章を書きたい母親がいる。すると子供の書いた文章を「この文章何よ!」と偉そうに言う。酷い親になると「どうして、あなたは作文ができないのよ!」と怒る。こういう親はあたかも自分が文章を良く書けるかのごとくに言うが、実は自分は文章をうまく書けない。子供に「何で出来ないんだ!」といつも怒る親は、実は現実の自分自身に不満な人なのである。  もちろんこれは親子ばかりではない。「このカレーライス美味しくないわね、味が悪い」と言う奥さんが居る。あたかも自分は美味しいカレーライスを作れるかのように言う。しかしこういう奥さんに限って料理は下手であることが多い。  これらの人には「自分はこういう人間なりたい」という願望がない。自分の人生に目的がない。だから他人が大切になる。そして自分の心をコントロールできないから、他人をコントロールしようとする。  さらにこういう人は相手の状況を見ていない。子供がパジャマにきかえた時に「さー、お風呂にしましょう」という母親である。あるいは子供が欠伸をしたときに「さー食事にしましょう」という母親である。子供のタイミングを見ていない。  子供をコントロールしようとして、コントロール出来なくてイライラしている親は、子供を見ていない。子供の歩幅と大人の歩幅の違いを考えないで、「なぜ、もっと早く歩けないの?」という母親である。もし母親の望むとおり歩くなら子供は歩幅のぶんだけ無理している。大人になってから問題を起こす。