正直に言ったら自分は見捨てられると恐れたら小さい子は正直にはいえない。

「子供が嘘をつかないようにするためには子供を怒ってはいけないのか?」と言う様な疑問を持つ母親がいる。決してそんなことはない。
 
例えば母親が「何でまだやってないのよ、あれだけ言ったでしょー」と怒る。怒るのはいい。しかしその時に子供が、母親は自分を怒っても自分のことが好きであると思えれば、怒られても正直に話をする。
 
桜の木を切って、それを正直に言ったワシントンも偉かったかも知れないが、実は偉いのはワシントンではない。

父親の方である。正直に言える雰囲気が親子にあった。正直に言ったら自分は見捨てられると恐れたら小さい子は正
直にはいえない。
 
反抗しても見捨てられないと思うから子供が反抗できるのと同じである。多くの場合に家庭内暴力の子が第一次反抗期がないと言われるのはそのためである。親を信じられないから反抗期がないのである。
 
家庭内暴力を起こすような子供は、見捨てられるのが怖くて正直に自分の感情を表現できないで、遂におかしくなってしまったのである。親は子供の正直な感情表現を許さなかった。
 
従っていわゆる「良い子」は信じられるものがない。常に嘘をついてきたからである。自分の身の安全を守るためにいつも嘘をついてきた。嫌いなことを好きと言ってきた。素晴らしいと感じたことを「くだらない」と言ってきた。みな親に気にいられるためである。親の機嫌を害さないためであった。
 
「良い子」はそうして親に迎合してきた。自分が「あいつは卑怯だ」と思っても、親を喜ばすために「偉大だ」と嘘をついた。