34. 幸せは自責の心理を反省することから始まる。(『まじめさが報われるための心理学』)

『まじめさが報われるための心理学』より

多くの傷ついている人は、まず初めに「自分で自分を責める」という過ちを犯してしまった。多くの傷ついている人は、小さい頃、自分を憎むという重大な間違いを犯した。その間違い故に、大人になってさまざまな人間関係がうまくいかないで、悩み苦しんでいる。自分にやさしくなれない者は、他人にやさしくなれない。傷ついている人は、自分にも怒り、他人にも怒っている。
 
自責は恥ずかしさの心理の特徴であり、また欝病者の心理の特徴でもある。私にいわせれば、自責こそ不幸の心理的特徴なのである。もし人が幸せになりたいと本気で願うなら、自責の心理を反省しなければならない。自責という心理的習慣をなくす努力は、まさに幸せへの努力なのである。
 
喫煙の習慣を絶つのが困難なように、自責の習慣を絶つのもまた困難である。自責は依存心の結果であるからこそ、そう簡単に絶てない。しかしこれを続けるかぎり幸せになれることはない。

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