41. 自己中心の人は自分にふさわしい人とつき合えない(『まじめさが報われるための心理学』)

『まじめさが報われるための心理学』より

自己中心的な人というのも劣等感の強い人なのである。現実の自分を受け入れられない。この世の中には、現実の自分を大切にしてくれる人もいる。自分のことを第一と考えてくれる人もいる。しかしその人では自分が嫌なのである。相手にとって自分が重要である。そんな相手もいる。しかしそのような人を自分の方が拒否している。
 
自分のことを相手にしてくれない人の方にのみ眼がいく。部長だとか何とかいう人の方にのみ眼がいく。自分と対等の人では満足できない。ときには、いつもテレビに出ているニュースキャスターであったり、プロ野球のスター選手であったりする。その人達に手紙を書いたり、相手にされようとする。そして相手にされないとけしからんということになる。

つまり、自己中心的な人は相手と心を通わせるということができない。相手と心を通わせる喜びよりも、自分はこんなにすごいのだとか、自分に皆が注目してくれるとか、自分に皆が同情してくれるとか、そんなことが大切なのである。実際の自分を受け入れ、実際の相手を受け入れ、そして心通わせて生きていくことができない。人と人とのつながりの喜びを経験できないでいる。仲間というのがない。

自己中心的な人はどうしても親友というのができない。励まし合い、かばい合いながら生きる恋人ができない。自分にふさわしい人とつき合おうとしないし、そのようなつき合いに満足できないからである。

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