60. 自分に自信のないと貧しい人間関係しかもてなくなる(『愛されなかった時どう生きるか』)

『愛されなかった時どう生きるか』より

自分に自信のない人は、どうしても他人にとりいってしまう。とりいってうまくいかないと、今度は強烈に反発する。
 
しかもとりいっていく相手というのが、まともな人間でないことが多い。たとえば他人をなめる人間、他人を嘲笑するような人間、そういった人間にとりいっていく。
 
おそらくそのように他人を嘲笑するような人間にとりいることで、他人への軽蔑を共有し、そのことで神経症的自尊心をたかめようとするのであろう。
 
自分に自信のない人は、他人をありのままに見ることができない。欠点のある人間に暖かい愛情の眼をそそぐことができない。すぐに軽蔑する。軽蔑することで傷ついた神経症的な自尊心をいやそうとする。
 
また、格好をつけているような人間、一見偉そうに見える人間にとりいる。それは自分に自信がないと、どうしても他人が実際以上に偉く見えてしまうからである。
 
このように自信のない人間は他人を過小評価したり、過大評価したりする。
 
また自信のない人間は自分の属している集団に誇りをもっていないこどが多い。つまり自分の属する集団の価値観や行動様式に準拠して行動しようとしていない。
 
そこでその集団を軽蔑しているような人間にとりいったりすろ。自分に自信のない人間は自分を軽蔑し、同時に自分の仲間を軽蔑している。そこで自分の仲間を軽蔑している人間に迎合していきがちなのである。

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