山のロバと家のロバ

山のロバが、日なたでぶらぶらしている家のロバを見て、そばへやってきて、ご馳走をたべてふとっているのがうらやましい、といいました。しばらくして家のロバが、重い荷物をしょわされ、ロバひきがうしろから棒でぶっているところを見ると、山のロバはこういいました。
 
「いやいや、私はもうおまえをうらやましいとはおもわない。そんなにほねをおらなければ、ご馳走がもらえないのか。」

山のロバの様にその時、その時を羨ましがる人がいる。美味しいところだけを見て羨ましがる。そしてこういう人は美味しいものを得るためだけの努力しかしないから、結局努力が報われないことが多い。