26. 神経症的な人は喪失体験を恐れ、愛の保証を必要とする(『自分の居場所をつくる心理学』)
不安なものの愛情欲求の特徴は[飽くなきこと]である。その表れ方は嫉妬と無条件の愛への要求というニつであるという。まず嫉妬の方から考えてみよう。
不安でないものも嫉妬する。しかし不安なものはいつも相手を失うことを恐れている。いつも嫉妬している。不安でないものは嫉妬するがそれは嫉妬する理由がある。不安なものは相手が自分を排他的に愛することを求めているのである。
したがっていつも嫉妬している。
カレン・ホルナイは次のように書いている。
The motto is, メYou must love me exclusively.モ 不安なものにとって相手が他の人間ではなく自分を愛しているということが重要なのである。それによって安心感を得ようとしている。他の人間なんかどうでもいい、あなた[だけ]が好きなのだと言われることが重要になる。
排他的ということが重要なのである。他の人間よりも自分の方が素晴らしいということを相手が保証してくれることが宣要なのである。それは不安なものが自分に自信がないことを表している。
あの人[よりも]あなたは素晴らしい、あの人よりもあなたの方がずっと素晴らしいと言われて安心するのである。自分[よりも]あの人は素晴らしくないと、相手が言ってくれることが不安な人にとって重要なのである。
神経症的な人は失うことをいつも恐れているから、いつも愛の保証を必要とする。あの人[よりも]あポたの方が素晴らしいという言葉は、この失う恐れをやわらげてくれるのであろう。あなたは他の人[よりも]私にとって価値がある、そう言い続けてもらいたいのである。
[新版]「自分の居場所」をつくる心理学
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加藤 諦三 PHP研究所 2009-12-16